Stern***Kirche***book

読書備忘録。

【書評】花宵道中 / 宮木 あや子 

 

花宵道中

花宵道中

 

花宵道中 
▼宮木 あや子 
▼新潮社


内容(内容紹介より)
江戸末期の新吉原で、叶わぬ恋に咲いては散りゆく遊女たち。恋する男の目前で客に抱かれる朝霧、初見世に恐怖と嫌悪を抱く茜、自分を捨てた父に客と女郎として対峙した霧里、一生恋はしないと誓いながらもその衝動に抗いきれなかった八津……芳醇な色香を放ち、甘美な切なさに心が濡れる官能純愛絵巻。
 


▼感想
 
┗全体の感想
切なすぎる…私 ジブリ泣きしてしまった……!悲恋に弱い…最近涙腺も弱いし(老化)。 朝霧の心情になりやすかった、…つまり話に入り込みやすかったなぁと思います。 この花宵道中は江戸が舞台ではあるけれど、死んでいった遊女の気持ちを汲むことができる。この話にはセックスシーンはあるけど下品じゃない。 馬鹿みたいに喘ぐ声やら音ばかり書き込まれている最近よくあるような官能小説ではなく、音なんか書き込まなくても情景はちゃんと見えるわ。
 
星をつけるとしたら?(5個中何個か)
★★★★☆
------------------
エムブロ!バトン倉庫
http://mblg.tv/btn/view?id=43008
------------------ 

【書評】銃とチョコレート ●乙一

 

銃とチョコレート (ミステリーランド)

銃とチョコレート (ミステリーランド)

 

▼銃とチョコレート
乙一
講談社


内容(「BOOK」データベースより)
少年リンツの住む国で富豪の家から金貨や宝石が盗まれる事件が多発。現場に残されているカードに書かれていた“GODIVA”の文字は泥棒の名前として国民に定着した。その怪盗ゴディバに挑戦する探偵ロイズは子どもたちのヒーローだ。ある日リンツは、父の形見の聖書の中から古びた手書きの地図を見つける。その後、新聞記者見習いマルコリーニから、「“GODIVA”カードの裏には風車小屋の絵がえがかれている。」という極秘情報を教えてもらったリンツは、自分が持っている地図が怪盗ゴディバ事件の鍵をにぎるものだと確信する。地図の裏にも風車小屋が描かれていたのだ。リンツは「怪盗の情報に懸賞金!」を出すという探偵ロイズに知らせるべく手紙を出したが…。 
 


▼感想
 
┗全体の感想
児童書レーベルのミステリー。王道の冒険小説的お話で真相に迫っていくけど名前がチョコレート関連でおなかがすくのだ。発売当初既に成人の私でも夢中になって読んだので子供の頃読んでいたら思い出の一冊になってしまう気がした。
 
星をつけるとしたら?(5個中何個か)
★★★★☆
------------------
エムブロ!バトン倉庫
http://mblg.tv/btn/view?id=43008
------------------ 

【書評】燃えよ剣(上) / 司馬遼太郎

 

燃えよ剣〈上〉 (新潮文庫)

燃えよ剣〈上〉 (新潮文庫)

 

燃えよ剣(上)
▼司馬 遼太郎 
▼新潮社


▼内容(内容紹介より)
幕末の日本で、敵からも味方からも最も恐れられたのがこの男。
幕末の動乱期を、新選組副長として剣に生き、剣に死んだ男、土方歳三の華麗なまでに頑なな生涯。武州石田村の百姓の子“バラガキのトシ”は、生来の喧嘩好きと組織作りの天性によって、浪人や百姓上りの寄せ集めにすぎなかった新選組を、当時最強の人間集団へと作りあげ、自身も思い及ばなかった波紋を日本の歴史に投じてゆく。人気抜群、司馬遼太郎の“幕末もの”の頂点をなす長編。

▼感想

┗全体の感想
新選組土方歳三視点で描かれる話。土方さん視点なので近藤さんとか沖田、山崎あたりがよく出てきます。逆に斉藤は殆ど出ない。時代が新選組を持ち上げて、局長である近藤が単なる百姓息子ではなくなっていく。同じく歳三も喧嘩師から新選組の副長という顔になっていく。今後七里との決着はつくのか、お雪との恋の行方はどうなるか楽しみです。 
 
星をつけるとしたら?(5個中何個か)
★★★★☆
------------------
エムブロ!バトン倉庫
http://mblg.tv/btn/view?id=43008
------------------ 

【書評】オズの魔法使い  / ライマン・フランク ボウム

 

オズの魔法使い (小学館文庫)

オズの魔法使い (小学館文庫)

 

オズの魔法使い
▼ライマン・フランク ボウム、江國 香織 (翻訳) 
小学館


内容(「BOOK」データベースより)
竜巻に巻き込まれて家ごと吹き飛ばされたドロシーと愛犬トト。少女が辿りついたのは、いい魔女と悪い魔女、そして偉大な魔法使いオズが支配する見知らぬ国でした。故郷のカンザスに帰るためにドロシーの冒険が始まります。道連れは、脳みそのないかかしと心臓のないブリキのきこり、そして臆病なライオン。一行は彼らの願いをかなえてくれるという、偉大な魔法使い・オズのいるエメラルドの街をめざして長い旅に出ます。致命的なひなげし畑、邪(よこしま)な魔女、翼のあるさるたち、おそろしい獣……読みだしたらやめられないワクワクさせる物語が江國香織の名訳で楽しめる極上のおくりもの。あの世界の名作は大人も子どもも楽しめる現代のワンダーテイルなのでした。 
 


▼感想

┗全体の感想
幼い頃に何度も読んだオズの魔法使い。江國さんの訳は美しく軽やかにオズの国とドロシーを彩ります。しかし、結構残酷な部分もあったなあ…。久々に読んでびっくりした。ドロシーが家に帰る鍵はすぐ側にあったのに、ずいぶん遠回りしてエンディングを迎える。けれど、遠回りしなければ得られなかった仲間たち。大切なこと。子供の時分にはわからなかったけれど、大人になってから読むと教訓が隠れてる様に思える。 
 
星をつけるとしたら?(5個中何個か)
★★★☆☆
------------------
エムブロ!バトン倉庫
http://mblg.tv/btn/view?id=43008
------------------ 

【書評】楽園のカンヴァス  / 原田 マハ

 

楽園のカンヴァス (新潮文庫)

楽園のカンヴァス (新潮文庫)

 

▼楽園のカンヴァス
▼原田 マハ
▼新潮社


内容(「BOOK」データベースより)
ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに篭めた想いとは―。山本周五郎賞受賞作。
 


▼感想
 
┗全体の感想
読友さんが読んでいて気になったので手にとった作品。書店ではアートミステリーというPOPを見かけたけど、本格ミステリーよりかは軽く、アートの謎解きという観点からは深い。ルソーのある作品が真作か贋作か…二人のルソー研究家が謎に迫る。章を追う毎にルソーの謎に迫っていき目が離せなくなる。読み終わってもその余韻に浸ったままでいる。
 
星をつけるとしたら?(5個中何個か)
★★★★☆
 
------------------
エムブロ!バトン倉庫
http://mblg.tv/btn/view?id=43008
------------------

【書評】シャーロック・ホームズの冒険  / コナン・ドイル : 石田 文子 (翻訳)

 

シャーロック・ホームズの冒険 
コナン・ドイル : 石田 文子 (翻訳) 
角川書店

内容(「BOOK」データベースより)
19世紀ロンドン、科学者より鋭敏で幅広い知識を持ち、犯罪者より危険で変装の名手、警察をも出し抜く捜査方法で数々の難事件を解決し、王族からも絶大な信頼を得ていた人物がいた。その名はシャーロック・ホームズ。医師にして著名な推理作家コナン・ドイルが世に送り出した、不世出の名探偵とその助手ワトスンの活躍が、色恋にはまったく無関心なホームズも唯一特別と認めた人物の事件を含め、12の事件で描かれる傑作集。

 
▼感想

 ┗全体の感想
ホームズの名作短編を集めた一冊。石田さんの訳のホームズは冷静な時や外面や面白い事件に出会って感情が高ぶっている様子がはっきりと描かれていて好きだなと思う。常に勝利し犯人を捕まえているように思うホームズだけれど、アイリーン・アドラーにしてやられているし、依頼人を失うという事もあって人間味溢れるホームズが見れる。当時のロンドンの様子も描かれており、物語と共に想像出来て楽しい。 
 
星をつけるとしたら?(5個中何個か)
★★★★☆
 
------------------
エムブロ!バトン倉庫
http://mblg.tv/btn/view?id=43008
------------------ 

【書評】 西遊記(1)  / 平岩 弓枝

 

西遊記〈1〉 (文春文庫)

西遊記〈1〉 (文春文庫)

 

西遊記(1) 
●平岩 弓枝 
文藝春秋

●内容(内容紹介より)


時は唐代、太宗の御代のこと。一人の高僧が、取経のために天竺へと旅立った。その名は玄奘三蔵。親世音菩薩は、三歳が無事に天竺へ着けるよう、ゆえあって天界を追われたものたちにいずれ来る三蔵と共に天竺へ参るよう言い渡す。師弟の愛、仲間との絆、旅を通じて成長していく姿を余すところなく描く、いままでで一番美しい「西遊記」。

 

●感想
┗一番好きな登場人物
孫悟空

 
┗全体の感想
美しい挿絵と優しい文体のおかげで流れるように読了。
「今までで一番美しい西遊記」の踊り文句にまだ一巻ながら納得してしまう。平岩先生の優しくて美しい世界観と、蓬田先生の愛らしい絵柄のおかげで、中国の昔の小説だし…と敬遠していた人もこれならばすらすら読み進められるんじゃないだろうか。 兎に角、悟空が可愛い。いじらしく、素直じゃない。でも正直。 悟浄は馬鹿真面目な性分の日本人みたいなところあるし、お師匠様は慈愛に満ちてみんなを見守ってる。 ただし八戒は…いい加減にしないと呆れられてしまうぞ、と突っ込みたい。

 

●星をつけるとしたら?(5個中何個か)
★★★★☆

 


------------------
エムブロ!バトン倉庫
http://mblg.tv/btn/view?id=43008
------------------