【書評】後宮の烏 / 白川紺子
- 内容紹介
後宮の奥深くに、妃でありながら夜伽をすることのない、「烏妃」と呼ばれる特別な妃が住んでいる。
その姿を見た者は、老婆であると言う者もいれば、うら若い少女だったと言う者もいた。
彼女は不思議な術を使い、呪殺から失せ物探しまで、頼めばなんでも引き受けてくれるという――。
ある夜、時の皇帝・高峻が、烏妃のもとに訪れる。
拾った翡翠の耳飾りに女の幽霊が取り憑いており、その正体を知りたいと言うのだが……。
少年時代、生母を皇太后に殺され、廃太子となって辛酸を舐めた皇帝、高峻。
神に選ばれし者と言われ、皇帝をして「誰も烏妃には命令できない」と言わしめる存在として生きる寿雪。
二人の巡り合わせは、歴史をも覆す「秘密」を暴くことになる……!
大ヒット『下鴨アンティーク』の著者がおくる、圧倒的中華幻想譚、開幕!
┗ 全体の感想
ある王朝の後宮に纏わるちょっと血腥い短編が4つ入った短編連作。
見た感じ誰にも靡かない主人公が帝の寵愛を受ける話かなって思ったけど、全く違った。寵愛ではないけど、特別ではあった。その特別な理由とか、後半の鳥妃が感情を顕にするシーンが好き。
さすがは後宮を題材にしてるだけあって、少女小説だけど血腥くて悲しい空気感が全体を包んでる。主人公の生い立ちも現在も、他の妃も帝の生い立ちも血腥い。でもとても好みで、一気読みしてしまったので続きが欲しいです。
●星をつけるとしたら?(5個中何個か)
★★★★☆
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