【書評】ばけもの好む中将―平安不思議めぐり / 瀬川 貴次
▼ばけもの好む中将―平安不思議めぐり
▼瀬川 貴次
▼集英社
内容（「BOOK」データベースより）
十二人の姉が居る以外は、ごく平凡な中流貴族の宗孝。御所に鬼が出たという噂を聞き、仲間たちと度胸試しで確かめに行くが、そこに居たのは怪異を愛する変人と名高い名門貴族・宣能だった。なぜか彼に気に入られてしまった宗孝は、彼と共に鬼の正体を追うことに。結局、人の仕業とわかって落胆する宣能だったが、その後も続く怪異の裏には、とある陰謀が隠れていて…。新感覚、平安冒険譚。
▼感想
┗全体の感想
見目麗しく全てに於いて完璧、おまけに時の右大臣子息という中将宣能、またの名を＜ばけもの好む中将＞。宣能と何の因果か行動を共にする事となった12人の姉を持つ宗孝。都で起こる怪異の謎に迫るが、怪異とは人が作り出した想いの成れの果てばかり。中盤から宗孝の姉上達の話が多くなり、面白くなっていく。宗孝の現代の若者のような感性は分かりやすいし、宣能の平安貴族の所作が目に浮かぶ様です。帝と梨壺の更衣との花散里の件が個人的には好き。
星をつけるとしたら？(５個中何個か)
★★★★☆
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